Gaye, Marvin 
  2 April 1939 at 11:58
  Washington DC,USA
 

マービン ゲイ

 

Note

 

マービン・ゲイ氏は天才的な黒人シンガーでした。
モータウン・サウンズと呼ばれるリズム&ブルースの一時代を築いた人で、後世のアーチストに 多大な影響を残しました。 黒人アーチストとして社会問題、当時はベトナム戦争の時代でしたから、戦争に対して、それから公害や貧困、 といった問題を取り上げて作品を作った人で、それは当時としては画期的なことだったかもしれません。
どん底の貧困からグラミー賞受賞まで、人生の幅を経験された方です。

この方も陰の強い、アーチストとして典型的なパターンです。
陰の強さはクールを演出します。
同じ黒人シンガーでもマイケル・ジャクソンは陽優位です。マイケルは子供から老人まで幅広いファン層を 誇りました。それは陽の力です。しかし陰のクールさは、幅広さはないかもしれませんが、女性に対して魅力を発揮しますし、特定の人の心に強く印象を刻むものです。

●日主(エネルギーセンター)の状態
ゲイ氏の日主は己です。月令を得ておらず、幇もなく
根もなく、不利な状態にあります。
しかし強い火の地支、午、巳に生じられるという状態です。
ただ火があまりに強いと、己は乾き、燥に転じ、才能の発露である金気を生まなくなります。
それにもかかわらず、庚が近貼し、日主からエネルギー放出を求めるのですからたまったものではありません。
日主はかなりの弱と言わざるをえません。

ゲイ氏の才能の源泉は月干の丁です。丁は相令にあり、根もあり、ものすごく強いのですが、日主己に対して陰対陰ですから あまり助けてはくれないのです。しかし丁はアーティストの才能として機能するため、ゲイ氏はこの力を使っています。 丁はアイディアを生み出します。そして機転を与えます。ゲイ氏は天性の音楽的才能の持ち主というよりも 音楽面では大変な努力家だったと見えます。それよりも作品を生み出す発想力、創造力が卓越しているのです。

●調候 /寒暖燥湿の偏り
卯月は調候を必要としません。しかし悲惨なまでに暖燥に偏っています。暖燥が寒湿の14.25倍もあります。 (上に掲げた分析図からの数値計算による) 火が強すぎて、深刻な水不足です。水は透干しないだけでなく、蔵干にすら存在しません。 水はゲイ氏にとって財です。経済状態のみならず、健康においても、これは問題です。

●抑圧型
他方、木は強すぎます。これはゲイ氏のメンタリティに束縛、抑圧となって見えない苦しみの源泉となることが見えます。 木は官殺です。古代中国では官僚が成功のロールモデルでした。規律をいかに遵守し、さまざまなストレスに耐えて 社会的に立場を維持すること、そういった現代のサラリーマン的な生き方が素晴らしい生き方とされたのです。だから”官が己を殺す”で、官殺です。

ゲイ氏の命式は、そういったストレス、抑圧の塊のような人生を示唆しているように見えます。
彼は生来のアーチスト気質を持っているにもかかわらずです。
そのため、この他人からは見えない錘(おもり)が、かえって逆に彼の創作の力、起動力として作用していたことが想像されます。 実際に、彼は牧師の子として生まれ、父親から常軌を逸した精神的虐待に等しい厳しい躾けを受けたといいます。 ところがそのスパルタ式は、教会の聖歌隊に所属することで、音楽的なスパルタ教育に変わっていきます。 彼は精神的虐待の疵を一生引きずることになるのですが、音楽的な技術が身につきました。

●運の流れ
ところが彼の運の巡りは、彼を頂上に導きます。
初年運こそ虐待と抑圧だらけで悲惨でした。しかし18歳から幸運が連続して巡ってきました。
18歳8ヶ月、乙丑の運です。
丑は水に近い湿土です。乾燥のために疲弊しきった己に生気を取り戻させ、庚を強く生み出していきます。
庚こそ、閉ざされた社会の壁をぶち破る音楽の力、彼の表現力に見えます。
彼の人生は、季節を逆行し、春から冬へと向かうのです。これが彼の命式にとっては実にマッチしていたように見えます。 彼は深刻な水不足です。冬は水の季節です。水不足が解消される冬こそ、彼が最も輝ける季節です。
水は音楽家にとって音感であり、音楽的才能を暗示するものです。
彼はモータウンレコードのベリー・ゴーディJr社長自らに発掘され、ソロデビューが実現したのでした。
最初はなかなか売れなかったものの、シングルを出すうちに売れるようになり、社長の姉と結婚した頃から
「I heard it through the Grapevine」「Can I get a witness」 「 How sweet it is」といったヒット作を
連発するようになりました。


しかし身弱で、官殺が強く、洩気も強い彼の命式からすれば、幸運の時期においても安定はありません。
こういった命式傾向の人には皆共通することですが、安定的な発展はなかなか難しいのです。
ゲイ氏が1960年代にブレイクしたのは、タミー・テレルという女性シンガーとコンビを組んだからでした。
しかし長くは続かず、タミー・テレル氏が突然、脳腫瘍で亡くなり、ショックからゲイ氏も音楽活動を休止してしまうのでした。

そこから復活させたのは、ベトナム戦争でした、戦争が終わり、弟が復員してきて、彼は戦争体験を聞く機会がありました。 1967年から甲子の大運に入っていました。子は水旺の運です。
彼は1971年、大ヒット作、代表作とも言える「Mercy Mercy me」を収録したアルバム「What's going on」を発表しました。 この作品はスティービー・ワンダーにも強い影響を与えたことで有名ですが、ベトナム戦争を歌ったのでした。 社会にも衝撃を与え、彼は時代を代表するアーティストになりました。

しかしそれも長くは続かず、離婚から麻薬依存になり、破産しました。
大成功したら、そこで彼の持つ器を超えてしまうということが起き、そのバランスを取るために急激な下降が起こると解釈せざるをえません。

ところが、大運はまだまだ幸運が連続しています。だからこのまま下降とはなりません。1977年から癸亥の運に入りました。天干地支ともに水。 彼を支援する人物が現れ、ライブ活動、レコーディング活動が1980年頃より再開されました。 当時の黒人ミュージシャンとしては珍しいシンセサイザーを全面的に取り入れたソウル・サウンズが時代に受けいれられたといわれています。 アルバム「Midnight Love」が大ヒットし、シングルも全米3位にランクインしました。 そして1983年グラミー賞の受賞です。

しかし彼の運はまたしても、またしても幸運の継続を許しませんでした。
1987年から彼は幸運であった30年続いた水の運が終了し、才能が枯渇し、後は下降するだけの人生になるはずでした。 それを待たずして1984年、またしても絶頂の反動からであると考えられますが、父親に射殺されて人生を終えたのでした。

   
   
   
  白河百空 
 
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